2007年6月29日

Addictive Drumsのご紹介

Drumkit From Hell Superior、BFD、EZdrummerなど、今となっては生系のドラム音源をチョイスするにも色んな選択肢があって、どれを買うか結構迷っちゃうんじゃないかと思うんだけど、なかでも後発と言えるXLN AudioというメーカーのAddictive Drumsというソフトシンセがお奨めなのでご紹介します。

TOONTRACK社のDFHSなどは、音質も良く、かなり生演奏に近いドラムトラックが作れますが、使用するにあたっては読み込みに時間が掛かったり、メモリも大量に消費するし、なにより結構なマシンパワーを食いますから、使用には少し注意が必要です。それに、まんま録り音に近い無加工の音と言えるので、いわゆるエンジニア的知識のないビギナーさんには少々敷居の高い楽器と言えます。

で、後発のBFDやEZdrummerなどは、少しは加工してあって、そのまま弄らなくても、トータルコンプさえ掛ければ使える音になっていたり、後者などはStylus RMXのSAGEエンジンからヒントを得たかのようなMIDIデータのパターンを多く用意し、MIDIデータのドラッグ&ドロップだけでも文字通りEasyにドラムトラックを作れるようになっている画期的なソフトシンセです。

でも、マシになったとは言え、やはり読み込みに時間が掛かりすぎたりして、キットのエディットができないので、固定された音をいくつかチョイスし直すくらいしか出来なくて不満の残る仕様です。

その点、このAddictive Drumsというのは、まず、読み込みが速い。パーツ毎に音色をチョイス出来るので自由度が高い(キックがパールでスネアがDW、ハットがパイステとか)。ラディックのスネアが無かったり、グレッチのキットがなかったりと個々の楽器の数は少々物足りない気が最初したけど、それを補えるだけの編集機能があります。例えていうなら、各楽器のマイク毎にEQ、フィルター、コンプ、ディトーション、サチュレーションリミッターなどを必要に応じてすぐに挿せるって感じで、知識のある人なら個別に音を作れるという点も素晴らしいし、同じキットでも既に加工されて作られたバラエティに富んだプリセットがあり、ビギナーにとっても扱いやすいモノと言えます。

パラアウトの方法も、従来の「ステレオアウトかパラアウトか」みたいな二人者択一ではなく、パラで出したい音だけをスィッチ1つでアサインできたりとか、その他残りはマスターに残したりとか、なかなかにフレシキブルな使い方が出来ます。マスターフェーダーにも上記のエフェクトがトータルとして掛けられるし、それとは別にFXトラックというのがあって2種類の空間系エフェクトが付属します。

そして、EZdrummer的なMIDIパターンもそこそこ付いてくるので、同様の編集機能を使ったトラックメイキングもさほど時間を取られずに出来ます。ドラムの打ち込みに慣れてない人でも、センス1つでかっちょいいトラックが作れるでしょうね。という感じで、正に、後発ならではの「いいとこ取り」のような楽器なんです。

更なるお奨めポイントは、CPUリソースも他の機種よりかなり少ない感じで、DFHSでいっぱいいっぱいなフレーズも楽に鳴らすことが出来るので、プリプロなどで使用するときにも、他にまだ楽器を立ち上げる余裕が残せるのも大きな強みと言えるでしょう。音色的にもいい録音と言えるし、エンベロープも変えられるのでタイトな音から緩い感じまでカバーできるし、ジャンルもロックからジャズ、フュージョン、果てはピッチエンベロープも併用して弄ればエレクトロニカもいけちゃう。すごく幅広く使えるキットだと思います。

と言うわけで、現時点でどれか1つ選べって言われたら、ボクは間違いなくこれを勧めますね。(逆に間違ってもお奨めしない機種もあるけど…)価格も249 USD(日本円で3万前後)なので、まあだいたい競合機種と同等の価格です。

ちなみにサイトには、ファイルサイズが100MBを超えますがしっかりとしたデモがあるので、興味のある方は先ずは試してみると良いでしょう。

 

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